Matrix42 IT Service Managementは、社内ITへの問い合わせや申請を受け付け、対応の流れを管理するためのITSM製品です。ITSMとは、ITサービスを安定して提供するために、受付から解決、改善までを仕組みとして管理する考え方を指します。
この製品は、まずインシデント対応や申請処理といった日常業務から始め、必要に応じて問題管理、変更管理、リリース管理などを加えていく構成です。クラウドだけでなく、プライベートクラウドやオンプレミスも選べるため、データをどこに置くかを重視する組織も候補にできます。
一方で、IT資産管理やワークスペース管理、AI機能などは、すべてが基本のITSMに含まれるとは限りません。導入時は、必要な範囲と、追加製品・追加機能の境界を確かめることが重要です。
中心になるのは、社内ITサービスデスクの日常業務です。たとえば、パソコンが使えないといった障害の連絡と、ソフトウェアの利用申請のような依頼を受け付け、担当者が対応を進める流れを管理します。
導入の出発点には、あらかじめ用意されたITSM機能とITILの実践方法があります。ITILは、ITサービスを管理する業務の考え方をまとめたものです。最初からすべての領域を広げるのではなく、日々の受付と対応を土台にして、必要なプロセスやモジュールを追加していく製品と捉えると分かりやすいでしょう。
導入方式は、クラウド、プライベートクラウド、オンプレミスから選択できます。外部のクラウド環境を利用したい場合だけでなく、自社の管理方針に合わせた環境を選びたい場合も検討できます。
この選択は、単に設置場所を決めるだけではありません。自社のデータ管理方針、運用体制、追加機能の構成、見積もりの条件にも関係します。そのため、製品選定の早い段階で、どの導入方式を前提にするのかを決めておく必要があります。
インシデントは、利用中のITサービスで起きた障害や不具合への対応です。サービスリクエストは、アカウント発行や機器・ソフトウェアの利用申請など、利用者からの依頼を扱います。Matrix42 IT Service Managementでは、この2つを日常運用の中心として始められます。
障害対応と申請処理を分けることで、緊急性の高い問題と定型的な依頼を同じ扱いにせず、それぞれに合った流れで進めやすくなります。また、SLAとワークフローも構成できます。SLAは、対応時間などについて定めるサービス水準です。どの依頼を誰へ回し、どの水準で対応するかを、自社の運用に合わせて設計する領域です。
利用者向けの申請窓口では、セルフサービスを提供できます。Microsoft Teamsとの連携、対話型AI、ナレッジ検索を使い、利用者が必要な申請先や情報を見つけるための入口を整えられます。
申請カタログを検討するときは、受付項目の数だけでなく、社員が普段使う場所から申請できるか、自己解決に使う情報を見つけられるかを見るとよいでしょう。たとえば、Teamsから申請窓口へ進めることは、別の窓口を探す手間を減らす設計につながります。ただし、対話型AIなどの範囲は、基本のITSMに当然含まれるものとして扱わず、契約の内容を確認する必要があります。
同じ障害が繰り返される原因を追う問題管理、システム変更の影響や手順を管理する変更管理、変更内容を本番環境へ反映するリリース管理にも範囲を広げられます。
これらは、基本のITSMに必要なプロセスやモジュールを追加する形です。問い合わせ受付だけが必要な組織と、原因分析や変更の統制まで一つの運用にまとめたい組織とでは、必要な構成が異なります。見積もりを依頼する前に、日常の受付以外でどこまで管理したいかを切り分けておくと、過不足を判断しやすくなります。
IT資産管理やワークスペース管理は、ITSM本体を支える製品または追加機能として分けて考えます。CMDBは、機器やシステムなどの構成情報と、その関係を管理するデータベースです。障害がどの機器やサービスに影響しているかを追う場面で関係しますが、ITSMを契約すれば資産・構成管理の必要な範囲がすべてそろう、と決めつけないことが大切です。
資産情報まで一体で扱いたい場合は、ITAM、ワークスペース関連機能、CMDBに必要な範囲を整理し、基本のITSMとは別に何が必要かを確認します。
業務の流れには、ワークフロー自動化、AIによる支援、問題の予防を支える機能、AI Agentを組み合わせられます。たとえば、受け付けた依頼を決められた流れへ回す部分は、自動化を検討しやすい領域です。
ただし、自動化やAIは一つの固定された構成ではなく、導入方式や製品構成に合わせて設計するものです。AIという名称だけで判断せず、必要な処理がどの機能で実現されるのか、その機能が基本契約なのか追加の範囲なのかを確認してください。
運用状況の把握には、サービスワークフローに関するAIの分析支援やレポート機能を利用できます。問い合わせ件数を見るだけでなく、対応状況をどのように把握し、改善につなげるかを検討する領域です。
利用できる範囲は、導入方式や管理方針の条件に関係します。レポートで確認したい指標を先に決め、その指標に必要なデータを扱えるか、誰が閲覧・管理するかまで確かめると、自社運用との適合を判断しやすくなります。
Matrix42 IT Service Managementの料金は個別見積もりです。2026年7月21日時点で参照できるのはグローバル向けの情報で、課金単位はカスタム見積もり、請求周期は契約単位です。パッケージ、ユーザー、導入方式、追加機能、導入支援を含めた条件を問い合わせて確定します。
ITAM、ワークスペース、ESMの追加機能やAIの範囲を、基本のITSM料金へまとめて含めないことがポイントです。候補となる構成ごとに、導入方式をそろえて見積もりを比較すると、費用の対象範囲を把握しやすくなります。
注意
料金情報の確認日は2026年7月21日、対象市場はグローバル、参照元の言語は英語(en-US)です。日本向けの固定された円価格は確認されていないため、日本語ページの表示を日本価格の根拠にはできません。為替換算で価格を作らず、最新の契約条件を問い合わせてください。
導入検討の入口として、デモの予約と30日間のトライアルが用意されています。まず日常の問い合わせと申請の流れを試し、そのうえで必要なパッケージ、導入方式、追加機能を営業窓口と確定する進め方が考えられます。
試すときは、機能を一通り見るより、実際によくある問い合わせや申請を少数選び、受付から担当者への振り分け、対応、完了までを確認するほうが判断しやすくなります。Teamsを申請窓口にしたい場合は、その連携も試用の範囲に含まれるかを確認します。
Q.料金はどう決まる?
A.パッケージ、ユーザー、導入方式、追加機能、導入支援を含む条件によって決まります。固定額ではなく、希望する構成を伝えて個別見積もりを取ります。
Q.IT資産管理やCMDBも基本料金に含まれる?
A.基本のITSMにすべて含まれるとは限りません。ITAMやワークスペース関連は支援製品・追加機能として分け、必要なCMDBの範囲とともに見積もりで確認します。
Q.どのような組織に向いている?
A.問い合わせと申請の管理から始め、必要に応じて問題管理や変更管理、自動化へ広げたい組織に向いています。クラウド以外の導入方式も選びたい場合や、データの配置方針を重視する場合にも候補になります。
確認日: 2026-07-21(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Matrix42 IT Service Management