Jira Service Management、GLPI、Microsoft System Center Service Managerは、いずれも社内からの問い合わせや障害を受け付け、対応を管理するための製品です。ただし、機能表だけでは見えにくい大きな違いがあります。クラウドを中心に始めるのか、自分たちでサーバーを用意して動かす(セルフホスト)のか、既存のオンプレミス環境に組み込むのかによって、向く候補が変わります。
3製品は、「どこで動かすか」と「どこまで自社で運用するか」を決めると絞りやすくなります。サービスデスクの受付だけでなく、資産情報、自動化、既存基盤とのつながりも含めて選びます。
Jira Service Management
こんな人に
クラウドで始め、Jira基盤上で申請対応とソフトウェア提供側の仕事を近づけたい
GLPI
こんな人に
資産管理とヘルプデスクをまとめ、セルフホストか提供元のクラウドを選びたい
Microsoft System Center Service Manager
こんな人に
既存のオンプレミスSystem Center環境で、CMDBと運用自動化を連携させたい
ITSMとは、ITサービスの提供や運用を管理する考え方です。ここでは、問い合わせや障害の受付から、原因管理、変更管理、資産情報の管理までを比べます。CMDBは、機器やシステムなどの構成情報と関係を管理するデータベースです。
| 比較項目 | Jira Service Management | GLPI | Microsoft System Center Service Manager |
|---|---|---|---|
| 主な導入方式 | Atlassian Cloudが新規導入の中心 | セルフホスト、Public Cloud、Private Cloud | System Center 2025のオンプレミス構成 |
| 日常の受付 | サービス要求とインシデントを別の実践として管理 | チケットとサービス要求を資産・ユーザー情報に関連付け | インシデントとサービス要求のレコードを管理 |
| 問題・変更・リリース | Premiumで高度なインシデント、問題、変更管理へ拡張 | インシデントと要求を中心に、問題や変更も扱う | 問題、変更、リリースのレコードを持つ |
| 資産・CMDB | Standard以上のAssets and configuration management | 資産管理、棚卸し、ネットワーク検出 | 資産ライフサイクルとCMDBを、他のSystem Centerコンポーネントと連携 |
| 自動化の考え方 | フォーム、ワークフロー、キュー、自動化テンプレート | 自動処理、ルール、承認、プラグインで拡張 | Orchestratorなどと連携して自動化 |
| 主な運用責任 | クラウドのプランと従量条件を管理 | セルフホストでは基盤、更新、バックアップ等も自社負担 | サーバー、関連コンポーネント、ライセンスを自社で管理 |
Jira Service Managementは、日常のサービス要求とインシデント対応から始め、必要に応じて問題管理や変更管理へ広げる構成です。Freeの段階からカスタマーポータル、メール、チャット、組み込みの知識ベースを使え、フォームやワークフローも備えています。
一方、変更承認やデプロイの制御、高度な問題・変更管理はPremiumの範囲です。資産と構成情報の管理はStandard以上に含まれますが、登録できるオブジェクト数と超過課金の管理も必要になります。導入時は、受付窓口だけでよいのか、変更管理や資産管理まで必要なのかを先に分けると、プランを決めやすくなります。
なお、Data Centerはクラウドと並ぶ新規の候補としては扱えません。2026年3月30日に新規顧客向け販売が終了しており、2028年3月30日に既存顧客の新規ライセンス・拡張購入が終了、2029年3月28日に読み取り専用化を伴うEOLが予定されています。
GLPIは、ヘルプデスクのチケットを資産やユーザーの情報にひも付けて管理したい場合の候補です。セルフホストのオープンソース版だけでなく、GLPI Network Public CloudとPrivate Cloudも選べます。
申請者向けのポータルを備え、自動処理、ルール、承認によって流れを作れます。機能の拡張にはプラグインが関わるため、必要な機能が本体に含まれるのか、サブスクリプション対象のプラグインなのかを分けて確認することが大切です。
セルフホストでは、ソフトウェアの取得費だけでなく、ホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、運用人員を自社で受け持ちます。一方のGLPI Networkでは、クラウド、サポート、プラグインの契約範囲を確認して選びます。自社で基盤を管理する余力があるかどうかが、選択の分かれ目です。
Microsoft System Center Service Managerは、System Center 2025のオンプレミス管理スイートに組み込んで使う製品です。インシデント、サービス要求、問題、変更、リリースの各レコードを扱います。受付窓口だけを独立して用意するというより、既存のSystem Center環境とつなぐ使い方が中心です。
資産ライフサイクルとCMDBを扱い、Configuration ManagerやOperations Managerとコネクターで連携します。ワークフローの自動化にはOrchestratorなどとの連携が関わります。そのため、Service Manager単体の機能で判断するのではなく、関連コンポーネント、サーバー構成、連携先の運用まで設計の対象に含めます。
ライセンスも、1エージェントあたりのクラウドITSM料金ではありません。管理対象、物理コア、サーバーとクライアントの管理ライセンス、そしてオンプレミス環境の運用費を分けて見積もる必要があります。
Jira Service Managementは主にエージェント数とAIによる対応会話、GLPIはインスタンス、エージェント、定額契約、System Centerは16コアの管理対象サーバーを基準にしています。この違いがあるため、表の金額だけを横並びにして安い順を作ることはできません。
| 項目 | Jira Service Management | GLPI | Microsoft System Center Service Manager |
|---|---|---|---|
| 課金単位 | assisted_conversation、named_agent | flat_contract、instance、named_agent | managed_server_16_core |
| 無料の入口 | 3 agentsまで永続無料 | community sourceはsoftware取得無料。hosting・operation・supportは別 | 恒久無料入口は確認できない |
| 最安有料 | 1 agentあたり月額20 USDとして掲載 | 1 IT agentあたり月額19 EUR、1 agentから、VAT別 | 16-core・2-processor server想定で1,455 USD。実価格は契約で変動 |
| 大規模 | Enterpriseはsales contactで条件を確定する | 月額100 EUR、10 IT agents・500 assetsまで、VAT別 | 16-core・2-processor server想定で3,968 USD。実価格は契約で変動 |
注意
料金情報は2026年7月21日確認のグローバル向け表示です。日本向けの固定円価格とは扱っていません。Jira Service Managementは資産とAIの従量条件、GLPIはVAT、エージェントの最低数、ホスティングやサポート等の別費用、System Centerは契約とサーバー・クライアントのライセンス構成を、公開前に再確認する必要があります。
実際の費用をそろえて比べるには、Jira Service Managementでは必要なプラン、エージェント数、資産オブジェクト数、AI利用量を数えます。GLPIでは、ソフトウェア取得費、ホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、運用人員を別々に置きます。System Centerでは、コアや管理対象に基づくライセンスと、オンプレミス基盤の運用費を分けます。
Q.GLPIのセルフホストは無料で運用できる?
A.Community版のソフトウェア取得費は0 EURですが、総費用が0円になるわけではありません。ホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、運用人員の費用を別に見積もります。
Q.System Center Service ManagerとクラウドITSMの価格は直接比べられる?
A.直接は比べられません。System Centerの公開価格は16コア、2プロセッサのサーバーを想定したスイートのライセンスであり、1エージェントあたりの月額ではありません。
Q.Jira Service Management Data Centerを新規導入の候補にできる?
A.新規顧客向け販売は2026年3月30日に終了しています。新たな導入ではCloudを中心に検討し、既存のData Center利用者は2028年の購入終了と2029年のEOLを踏まえて計画する必要があります。
確認日: 2026-07-21(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
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