GLPIは、社内から届く問い合わせや申請をチケットとして扱い、利用者やIT資産の情報と結び付けて管理できるITサービス管理ツールです。ITSMとは、社内ITを個別の作業としてではなく、受付から対応、改善までを一連のサービスとして管理する考え方を指します。
GLPIの特徴は、ヘルプデスクと資産管理を一つの候補として検討できることです。自社で環境を用意するオープンソース版だけでなく、Public CloudやPrivate Cloud、サポート付きの選択肢もあります。どの機能があるかだけでなく、誰がシステムを運用するのかまで含めて選ぶことが大切です。
中心になるのは、日々の問い合わせやサービス依頼を受け付け、担当者が処理するヘルプデスク業務です。チケットを利用者や資産の情報に関連付けられるため、「誰から届いた依頼か」だけでなく、「どの端末や機器に関する相談か」も同じ流れの中で管理できます。
さらに、問題管理や変更管理、資産管理、ワークフローの拡張まで扱えます。単なる問い合わせ箱ではなく、サービスデスクとIT資産の管理をまとめたい組織が検討しやすい範囲です。ただし、クラウド、サポート、プラグインは選ぶ契約によって範囲が分かれるため、必要な機能と提供条件をセットで確認する必要があります。
GLPIの導入方式は、大きく分けて次の3方向です。
セルフホストは、ソフトウェアの取得費だけを見れば入口を抑えられます。一方で、ホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、運用担当者が必要です。クラウドやサポート付きの契約では、これらのうち何を提供側へ任せられるのかが選定の焦点になります。
インシデントは、ITサービスが正常に使えない状態や不具合への対応です。サービス依頼は、アカウントや機器などについて利用者から届く申請・依頼を指します。GLPIでは、どちらもヘルプデスクのチケットとして扱い、利用者や資産の情報と関連付けて管理できます。
この仕組みは、問い合わせの受付と機器台帳が別々になっている組織に向いています。たとえば端末の不具合を受け付けたとき、対象となる資産の情報とチケットを結び付けておけば、担当者は対応の対象を確認しやすくなります。
同じ種類のインシデントが繰り返される場合、その原因や再発防止を扱うのが問題管理です。システムや運用方法を変える作業を計画し、影響を管理するのが変更管理です。
GLPIは、インシデントとサービス依頼を中核にしながら、問題や変更などもプロセスとして扱います。日々の復旧対応で終わらせず、繰り返す不具合の整理や変更作業の管理までつなげたい場合に確認しておきたい領域です。
利用者向けには、ヘルプデスクのポータルを申請や問い合わせの窓口として使えます。担当者へのメールや口頭の依頼が散らばっている場合、利用者が自分で受付を開始できる窓口を用意することで、依頼をチケットへ集約しやすくなります。
サービスカタログを重視する場合は、必要な申請項目、承認の流れ、利用するプラグインまで具体的に確認しましょう。ポータルがあることと、自社が求めるカタログ構成をそのまま実現できることは同じではありません。実際の申請例を使って確かめると判断しやすくなります。
GLPIはIT資産の管理に加え、GLPI Inventoryやネットワーク探索を提供します。CMDBは、ITサービスを支える機器や構成要素、その関係を管理するデータベースです。GLPIを検討するときは、まず端末や機器の台帳として必要な情報を扱えるかを確認し、そのうえで構成情報をどこまで管理したいかを整理すると分かりやすくなります。
Inventory、ネットワーク探索、追加プラグインは、利用条件や契約範囲を分けて見る必要があります。資産情報を集めたいのか、チケットと関連付けたいのか、さらに構成管理まで広げたいのかによって、必要な範囲は変わります。
運用の自動化には、automatic action、ルール、承認、プラグインを利用できます。たとえば、決めた条件に沿って処理を進める部分と、人の承認を必要とする部分を分けてワークフローを組み立てる、といった考え方です。
対応時間の目標を示すSLAを運用する場合も、受付後の振り分け、承認、定期処理をどうつなぐかが重要になります。標準機能だけで足りるのか、プラグインによる拡張が必要なのかを、実際の受付から完了までの流れで確認しましょう。
日々の管理にはダッシュボードを利用できます。Metabaseとの連携も選択肢ですが、プランやプラグインの条件があります。必要なレポートを先に挙げ、標準のダッシュボードで確認できるものと、追加の構成が必要なものを分けて評価するのが現実的です。
外部システムとの接続や独自の拡張を考える場合は、REST APIとプラグインの仕組みが入口になります。ただし、APIの実装方法やセキュリティ設定は、導入前に別途詳しく確認すべき領域です。
以下は、2026年7月21日に確認されたグローバル向けのEUR表示です。課金単位がインスタンス、担当者、定額契約で異なるため、金額だけで比較せず、自社の担当者数や資産数に当てはめて見ます。
| プラン | 課金単位 | 月額 | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Community self-host software | instance | 0 EUR | community sourceはsoftware取得無料。hosting・operation・supportは別 |
| GLPI Network Public Cloud | named_agent | 19 EUR | 1 IT agentあたり月額19 EUR、1 agentから、VAT別 |
| GLPI Network Private Cloud | named_agent | 21 EUR | 1 IT agentあたり月額21 EUR、25 agentsから、VAT別 |
| GLPI Network Basic | flat_contract | 100 EUR | 月額100 EUR、10 IT agents・500 assetsまで、VAT別 |
注意
2026年7月21日の確認時点では、日本向けの固定JPY価格は確認されていません。上表はグローバル向け表示で、日本価格を示すものではありません。調査時点で日本向け固定価格が見つからなかったことは、日本で購入できないという意味ではありません。契約前に対象市場、課金単位、請求周期、含まれるプラグインやサポートを確認してください。
Communityの0 EURは、ソフトウェアの取得費を示します。サーバーのホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、導入作業、運用担当者の費用は別に見積もる必要があります。クラウド版も、担当者数の最低条件や含まれるサービスを確認してから、同じ期間の総費用で比べることが大切です。
GLPIは、問い合わせ管理とIT資産管理を一つの基盤で扱いたい組織に向いています。とくに、セルフホストと提供元のクラウドを比較したい場合や、承認・ルール・プラグインで運用を広げたい場合は候補になります。
一方、システムを自社で管理する担当者がいないのに、ソフトウェアの取得費だけを理由にCommunityを選ぶと、導入後の更新やバックアップが負担になりかねません。また、特定のサービスカタログ構成、レポート、プラグインが必須なら、契約範囲と実際の動作を事前に確認する必要があります。
Q.GLPIは無料で使える?
A.Community self-host softwareのソフトウェア取得費は0 EURです。ただし、ホスティング、更新、バックアップ、プラグイン、サポート、導入、運用担当者の費用は別です。総費用が0円という意味ではありません。
Q.クラウド版も選べる?
A.GLPI Network Public CloudとPrivate Cloudがあります。セルフホストを含め、誰が環境を運用するか、必要なサポートやプラグインが含まれるかで選びます。
Q.ヘルプデスクと資産管理を一緒にできる?
A.できます。ヘルプデスクのチケットを利用者や資産情報と関連付けて管理できます。資産情報の収集や構成管理までどこまで広げるかは、Inventoryやプラグインの条件も含めて確認してください。
確認日: 2026-07-21(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
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