ServiceNow ITSMとIvanti Neurons for ITSMは、どちらもインシデント対応やサービス申請を扱えるITサービス管理製品です。ただし、比較の出発点は機能の数ではありません。ServiceNow ITSMはクラウド基盤上のパッケージ構成、Ivanti Neurons for ITSMはクラウド、オンプレミス、ハイブリッドから選べる導入方式が特徴です。
ServiceNow ITSM
こんな人に
ServiceNowのクラウド基盤へITSMとCMDBを統合し、必要なプロセスをパッケージで追加したい
Ivanti Neurons for ITSM
こんな人に
クラウド、オンプレミス、ハイブリッドを選び、ローコードでITSMを拡張したい
複数のITSMプロセスと構成管理データベース(CMDB)をServiceNowのクラウド基盤へまとめ、パッケージ単位で機能を広げたいならServiceNow ITSM、システムの置き場所を選び、ローコードやノーコードで業務の流れを構成したいならIvanti Neurons for ITSMが検討しやすい候補になります。
| 比較項目 | ServiceNow ITSM | Ivanti Neurons for ITSM |
|---|---|---|
| 導入方式 | ServiceNowのクラウド基盤 | クラウド、オンプレミス、ハイブリッド |
| 日常の受付業務 | Incident ManagementとRequest Managementを分けて提供 | インシデントや申請を含む業務をローコード、ノーコードで構成 |
| 利用者向け窓口 | サービスカタログ、Employee Center、Knowledge Management、Virtual Agent | セルフサービスポータル、チャットボット、AIを使うVirtual Agent |
| 自動化 | 基盤機能としてWorkflow Automationを提供。高度な承認を含むプロセスは上位パッケージで追加 | ノーコードのワークフロー設計と自動化で、分類や処理を構成 |
| Problem・Changeなど | Problem、Change、Major Incident、On-CallはAdvanced以上 | 14のITIL 4認定プラクティスを基盤にProblemやChangeなどへ拡張 |
| asset・CMDB | FoundationにAsset Management and CMDBを含む。ITAMやITOMは同一範囲として扱わない | asset visibilityを案内。Neurons for Discoveryなど関連製品との契約範囲を分ける |
| 見積の分かれ目 | Foundation、Advanced、Primeのどこまで必要か | 導入方式、ライセンス階層、モジュール、導入支援の範囲 |
両製品とも、問い合わせ対応と申請受付だけでなく、セルフサービスやワークフローまで比較できます。一方で、同じ名称の機能が同じ契約範囲に入るとは限りません。導入方式を決めたうえで、必要なプロセスと関連製品を切り分けることが重要です。
ServiceNow ITSMは、ServiceNowのクラウド基盤として提供されます。複数のITSMプロセスやCMDBを一つの基盤へまとめることを前提に比較する製品です。そのため選定時は、自社に設置できるかどうかを比べるより、どのパッケージと隣接製品を組み合わせるかが中心になります。
Ivanti Neurons for ITSMは、クラウド、オンプレミス、ハイブリッドから導入方式を選べ、方式間の移行も案内されています。自社のシステム配置方針や運用条件から導入方式を先に決めたい場合は、Ivantiが比較の候補になります。
ただし、オンプレミスやハイブリッドを選べることと、運用の負担が小さいことは別の話です。Ivantiを検討するときは、どの方式を採用するかに加え、その環境を誰が管理し、更新や移行をどう扱うのかを導入範囲として確認する必要があります。ServiceNowでも、クラウド提供だからといって業務設計まで自動的に決まるわけではありません。申請経路、権限、承認、他システムとの接続を誰が設計・維持するのかは、別途整理しておきましょう。
ServiceNow ITSMでは、インシデント管理と申請管理が別のITSM機能として示されています。Foundationには、サービスカタログと申請管理、Virtual Agentが含まれ、基盤機能としてEmployee CenterとKnowledge Managementも案内されています。たとえば、故障の連絡とアカウント発行の申請を別の流れで受け付けつつ、利用者向けの窓口はまとめる、といった設計が考えられます。
自動化はWorkflow Automationが基盤機能として示されています。一方、変更承認を含む高度なプロセスはAdvancedで追加されます。受付後の振り分けだけを見て契約を決めず、変更管理まで同じ製品範囲で運用するのかを先に決めることが大切です。
Ivanti Neurons for ITSMは、インシデントや申請を含むサービス管理の流れをローコード、ノーコードで構成します。セルフサービスポータル、チャットボット、Virtual Agentを従業員向けの窓口として使え、ノーコードのワークフロー設計と自動化で分類や処理を組み立てます。受付内容に応じて担当へ回す、といった流れを自社の業務に合わせて設計したい場合に確認しやすい構成です。
なお、IvantiのAI機能は、製品を契約すれば一律に使えるものとして扱えません。SaaSのバージョン、ライセンス階層、追加契約、FedRAMP環境に関する条件があります。AIを選定の理由にするなら、自社が選ぶ導入方式とライセンスで利用できるかを見積もりの時点で確認してください。
ServiceNow ITSMでは、Foundation、Advanced、Primeというパッケージの境界が重要です。Problem Management、Change Management、Major Incident Management、On-Call ManagementはAdvanced以上の範囲です。「ITSMを導入する」という一括りの要件ではなく、障害の再発防止、変更の統制、重大障害時の対応まで必要かどうかを分けて確認すると、必要なパッケージを絞れます。
Ivanti Neurons for ITSMは、14のITIL 4認定プラクティスを基盤に、インシデント、問題、変更などへ範囲を広げられます。ここで見るべきなのは認定数ではなく、自社で運用するプロセスが、選ぶライセンスやモジュールに含まれるかどうかです。
比較のときは、両製品で同じ業務一覧を使いましょう。たとえば「問い合わせ受付」「サービス申請」「問題管理」「変更管理」「重大障害対応」のように必要な業務を並べ、それぞれが標準範囲、上位パッケージ、追加モジュールのどこに入るかを確認すると、製品名だけの比較を避けられます。
CMDBは、機器やシステムなどの構成情報と関係を管理するデータベースです。ServiceNow ITSMのFoundationにはAsset Management and CMDBが含まれます。ただし、IT資産管理を担うITAMやIT運用管理を担うITOMといった隣接製品まで、ITSMの契約に含まれると考えてはいけません。必要な管理対象とデータの集め方を決め、ITSM内の範囲と追加製品の範囲を分けて見積もる必要があります。
Ivanti Neurons for ITSMでは、資産の可視化が案内されていますが、Neurons for Discoveryなどの関連製品とはライセンスの境界があります。機器の情報をどこから取得し、どの範囲をITSM上で扱うのかを確認し、関連製品を前提にする場合は別契約かどうかを確かめましょう。
外部システムとの連携の入口にも違いがあります。ServiceNowはdeveloper portalとService Graph Connector、Ivantiはローコード、ノーコードの連携機能と公式ヘルプを入口として案内しています。ここでは接続手段の名称だけで決めず、連携したいシステム、同期するデータ、連携が止まったときの対応担当を具体化することが重要です。
| 項目 | ServiceNow ITSM | Ivanti Neurons for ITSM |
|---|---|---|
| 課金単位 | custom_quote | custom_quote |
| 無料の入口 | 恒久無料入口は確認できない | 恒久無料入口は確認できない |
| 最安有料 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 大規模 | 3 packageを比較できるが固定公開額はなく、公式はcustom quoteを案内する | deployment、license tier、module、implementationをcustom quoteで確定する |
注意
2026年7月21日時点で、ServiceNow ITSMはFoundation、Advanced、Primeとカスタム見積を案内していますが、固定の日本円金額は掲載されていません。Ivanti Neurons for ITSMも日本語の製品ページと料金の問い合わせ先は確認できますが、固定の日本円金額は掲載されていません。
両製品とも、公開された固定額だけで総費用を比べることはできません。ServiceNowでは、必要なプロセスがFoundation、Advanced、Primeのどこに入るかを確定し、ITOMやITAMなどの隣接製品を分けます。Ivantiでは、導入方式、ライセンス階層、モジュール、導入支援の範囲をそろえて見積もります。
見積もりを依頼するときは、利用者数だけでなく、必要なプロセス、セルフサービス、自動化、資産情報の取得、外部連携、導入支援を同じ条件で記載すると比較しやすくなります。製品ごとに異なる範囲で見積もると、金額の差が製品の差なのか契約範囲の差なのか判断できません。
ServiceNow ITSMは、ServiceNowのクラウド基盤を前提に、ITSMプロセスとCMDBをまとめたい組織に合います。とくに、最初は日常の受付業務から始め、必要に応じてProblem、Change、Major Incidentなどを上位パッケージで追加していく考え方と相性があります。ただし、ITAMやITOMまで必要なら、ITSMとは分けて契約範囲を確認してください。
Ivanti Neurons for ITSMは、クラウド以外の導入方式も候補に残し、ローコード、ノーコードで業務の流れを構成したい組織に合います。導入方式とライセンス階層によって利用条件が変わる機能もあるため、希望する構成を先に固めてから見積もることが重要です。
製品を絞り切れない場合は、同じ業務シナリオで確認すると違いが見えてきます。利用者が申請し、担当者が分類し、承認を経て完了するまでを両製品で確認し、その過程で必要になるパッケージ、モジュール、関連製品、運用担当を記録しましょう。
Q.どちらも無料で使い始められる?
A.2026年7月21日時点では、どちらも恒久無料の入口は確認できず、料金は要問い合わせです。無料利用を前提に選ばず、必要な製品範囲をそろえて見積もりを依頼してください。
Q.ServiceNow ITSMならProblemやChangeも最初から含まれる?
A.一律には含まれません。Problem Management、Change Management、Major Incident Management、On-Call ManagementはAdvanced以上の範囲です。Foundationで始める場合は、必要なプロセスとの差を確認してください。
Q.IvantiのAI機能はどの導入方式でも使える?
A.一律ではありません。SaaSのバージョン、ライセンス階層、追加契約、FedRAMP環境に関する条件があります。採用予定の導入方式と契約内容で利用できるかを確認する必要があります。
確認日: 2026-07-21(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
ServiceNow ITSM
Ivanti Neurons for ITSM